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性格の不一致で離婚するには? 慰謝料請求ができるケースについて相談事例を基に解説

夫婦の性格の不一致は、裁判離婚では離婚の理由とする事はできません。また、慰謝料請求もできないのが原則です。ただ、配偶者が不倫していたり、DV、モラハラ被害を受けているケースも多いので、この場合は離婚や慰謝料請求ができます。性格不一致で離婚したり慰謝料請求するためのポイントを解説します。
 

性格不一致では離婚できないし慰謝料請求もできない? 性格不一致で離婚する際のポイントを解説

夫婦間の性格不一致により離婚するケースでは、原則として慰謝料の請求はできません。
相手の性格をよく知らずに結婚したとしても、基本的に自己責任だからです。ただ例外的な場合は、慰謝料を請求できることもあります。
また、性格不一致は法定離婚事由に当てはまらないため、裁判離婚は難しいです。協議離婚や調停離婚により、夫婦双方が納得した上での離婚を目指すべきです。
 

性格不一致は離婚したい理由のトップ

性格不一致、つまり、夫婦の性格が合わないことは離婚したい理由のトップとして挙げられることが多いです。
令和5年度家事司法統計によると、家庭裁判所へ離婚調停の申立をした動機の順位は次のようになっています。
 

性格が合わない(性格不一致) 性格が合わない(性格不一致)
異性関係(浮気、不倫、不貞など) 暴力を振るう(DV)
浪費する 異性関係(浮気、不倫、不貞など)
性的不調和(性的に合わない) 浪費する
暴力を振るう(DV) 性的不調和(性的に合わない)
病気 酒を飲みすぎる
酒を飲みすぎる 病気

 
つまり、男女ともに離婚したい原因のトップが、性格が合わない(性格不一致)ことだということです。
 

性格不一致とは何か?

一口に性格不一致と言ってもそのパターンは様々です。
代表的な例を紹介します。
 

結婚前後で性格が変わった

結婚前は、大変性格の良い人に見えたのに、結婚した途端に性格の悪さが露見したというパターンです。
男女どちらも結婚前は相手によく思われようとしていて、自分の本性を見せないこともあります。
ただ、結婚してしまえば、24時間いい人を演じ続けることはできませんから、どうしても本性がバレてしまいます。
結婚前後の性格のギャップに戸惑いつつもそれを乗り越えることが良い夫婦関係を築くためのポイントですが、あまりに性格が違いすぎて、乗り越えられないこともあります。
このような場合、性格不一致により離婚に踏み切ることがあります。
 

結婚後、様々な点で価値観や考え方のズレが生じた

結婚後は、様々な場面で夫婦の価値観や考え方のズレが生じたために夫婦喧嘩が絶えなくなり、一緒に暮らすのが苦痛になることもあります。
例えば、次のような点で価値観や考え方のズレが生じがちです。
 

  • ・親族や友人との付き合い方
  • ・食事の好みの違い
  • ・トイレの使い方などのマナーの違い
  • ・お金の使い方や貯蓄などの金銭感覚のズレ
  • ・宗教や信仰の違い
  • ・子供の教育方針の違い
  • ・介護の考え方の違い

 
こうした点について、大きなズレや違いがあり、妥協点を見つけられないようなケースでは、性格の不一致を理由とする離婚に踏み切ることがあります。
 

性格不一致で離婚することはできるのか?

では、性格の不一致を理由に離婚することはそもそも可能なのでしょうか?
結論から言うと、性格の不一致を理由に離婚できます。
夫婦が話し合って、離婚することで一致すれば、性格の不一致であれ、その他の様々な理由であっても、離婚することが可能です。
 
ただ、裁判離婚の場合は、法定離婚事由が必要になります。
民法770条1項には、法定離婚事由として次の4つが挙げられています。
 

  • ・配偶者に不貞な行為があったとき。
  • ・配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • ・配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  • ・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 
これらの事由があった時は、離婚の訴えを提起できる。つまり、裁判離婚で、裁判官が離婚を認めてくれるということです。
「性格不一致」については、この4つのいずれにも当てはまらないのが基本です。そのため、性格不一致により裁判離婚を試みることは難しいです。
 

性格不一致により離婚するための方法

性格不一致で離婚する方法は、次の3つです。
 

  • ・協議離婚
  • ・調停離婚
  • ・裁判離婚

 
協議離婚は当事者が話し合いにより離婚する方法です。
具体的には、夫婦の双方が離婚することで一致し、離婚届を作成して市区町村役場の窓口に提出すれば、離婚が成立します。
夫婦の双方が離婚したいと思っているなら、比較的容易な方法です。
 
調停離婚は、夫婦だけが話し合っても、相手が離婚に応じてくれなかったり、離婚には前向きでも条件で折り合えない場合に家庭裁判所に調停を申し立てるというものです。
調停は裁判官が判決を下す形ではなく、あくまでも、夫婦の双方が納得できる妥協点を探るためのものです。調停委員を介して事情を説明し、納得できるまで話し合います。
双方が妥協できれば、理由が性格の不一致でも、調停離婚ができます。
 
裁判離婚は、民法770条1項の法定離婚事由に当てはまっていることが前提となるため、性格不一致で離婚するにはハードルが高いです。
離婚は、協議離婚、調停離婚、裁判離婚という流れで試みられますが、離婚の理由が性格不一致のみの場合は、早い段階で離婚の合意を成立させることがポイントです。
 

性格不一致による離婚を有利に進めるには?

離婚を有利に進めるためには、裁判離婚が可能な状態で離婚を持ちかけることです。
そのためには、性格の不一致以外の法定離婚事由が必要です。
具体的には次のような事由です。
 

  • ・不貞行為:配偶者が他の人と性的関係を持っている。
  • ・悪意の遺棄:同居、協力、扶助といった夫婦の義務を果たしていない。
  • ・3年以上の生死不明:配偶者が家出したきり戻ってこない。
  • ・婚姻を継続し難い重大な事由:代表例はDV、モラハラ、セックスレス、親族を含めた深刻な対立、信仰上の相違など。

 
性格不一致以外にもこうした事由があり、かつ、その事由についての証拠をしっかり押さえているなら、裁判離婚が認められます。
つまり、相手が離婚を拒否していても、協議、調停、裁判と進めば、離婚は避けられない状態になるので、有利に離婚できます。
 

性格不一致でも離婚できない場合は?

性格不一致なのに配偶者が離婚を承諾しないために離婚できない場合もあります。協議離婚で話し合いがまとまらず、調停離婚でも調停不成立になってしまった場合にありがちなことです。
性格不一致のみで、他に法定離婚事由がないと、裁判離婚できないために、離婚したくても離婚できない状態になってしまうわけです。
 
このような場合は、別居実績を作る方法もあります。
別居期間が長い場合は、裁判所からも「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると判断されやすくなります。
もちろん、すべてのケースで有効な方法とは言い切れませんが、検討の余地はあります。
 
なお、別居する場合は、生活費が大きな問題になりますが、婚姻費用に当たるので、その費用を相手方配偶者に請求できます。また、子どもも一緒に別居する場合は、養育費も一緒に請求できます。
 

性格不一致で離婚した時の慰謝料と財産分与

性格の不一致で離婚する場合、慰謝料請求や財産分与はどのように行ったらよいのでしょうか。離婚の条件について一つ一つ検討します。
 

性格不一致で離婚する際の慰謝料請求

離婚における慰謝料は、配偶者の行為によって精神的な苦痛を被った場合に請求できるものです。代表的なのは配偶者の浮気、不倫(不貞行為)です。
性格の不一致の場合でも、結婚する前はいい人だと思ったのにこんなに性格が合わないとは思わなかった。騙された。だから慰謝料を支払うように求めたいと思う方もいるかもしれません。
しかし、結婚する際は、相手の性格も見極めてからすべきで、よく知らずに結婚したとしても自己責任になります。
性格不一致は、どちらか一方の行為によって婚姻の継続が難しくなるという関係にもないため、慰謝料請求は基本的にできません。
 

性格不一致で離婚する際の財産分与

財産分与とは、離婚に際して夫婦の共有財産を分けることです。
夫婦の共有財産とは、夫婦の財産のうち、それぞれの特有財産以外の財産すべてを意味します。
例えば、
 

  • ・現金
  • ・預貯金
  • ・株式などの有価証券
  • ・自動車などの高額な動産
  • ・不動産
  • ・退職金
  • ・生命保険

 
等が代表例です。
 
これらの財産はどちらの名義になっていても、特有財産でなければ、共有財産になるため、相等しい割合、つまり、2分の1に分割することになります。
 
なお、特有財産とは、夫婦が婚姻前からそれぞれが有していた財産、それぞれの親から相続や贈与を受けた財産のことです。これらの財産は財産分与の対象になりません。
 

性格不一致で離婚する際の親権

夫婦に未成年の子どもがいるケースでは、離婚後の親権をどうするか決めなければなりません。
離婚の理由が性格不一致だと、親権獲得に有利、不利になるという要素はないため、対等に話し合うことになります。
 

性格不一致で離婚する際の養育費

夫婦に未成年の子どもがいるなら、離婚後の養育費についても決めなければなりません。
養育費は子どものためのものですから、離婚の理由に関わらず、子どもを養育する親が他方に対して請求する形になります。
養育費の金額を決める際は、養育費又は婚姻費用の算定表等を参考に決定するとよいでしょう。
 

性格不一致で離婚する際の年金分割

年金分割とは、夫婦の婚姻期間中の厚生年金部分について、分割する制度です。
夫婦のうち、厚生年金が少ない側は、将来もらえる厚生年金が増えますし、多い側は厚生年金が減ってしまいます。
年金分割は離婚理由に関わらず、求めることができるので、忘れないようにしましょう。
 

性格不一致により慰謝料請求できることもある?

性格不一致で離婚する場合は、原則として慰謝料請求できません。
ただ、性格不一致以外にも離婚事由があるケースでは、慰謝料請求できることもあります。
代表的なケースを紹介します。
 

配偶者の不貞行為(浮気、不倫)が発覚したケース

夫婦が性格の不一致により仲良くなることができず、配偶者が浮気、不倫、さらに不貞行為(配偶者以外の人と性的関係を持つこと)をすることは珍しいことではありません。
不倫しているのではないかとの疑惑から、夫婦のすれ違いが生じてしまうこともあります。
実際に配偶者が不貞行為を行っていたことが発覚したケースでは、法定離婚事由に当たりますし、された側は精神的苦痛を被りますから、慰謝料請求が可能です。
ただ、不倫が疑惑に留まる場合の離婚の理由は、性格不一致になるため、慰謝料請求ができません。
慰謝料請求するためには、不貞行為の確実な証拠を押さえることがポイントです。
 

配偶者からのDV、モラハラがあるケース

夫婦の性格不一致がきっかけで、様々な場面で折り合いがつかず、しまいには、相手がDVやモラハラを行ってくることもあります。
配偶者からのDV、モラハラがあるケースでは、性格不一致だけでなく、婚姻を継続し難い重大な事由に該当するため、法定離婚事由になります。
また、DV、モラハラを受けた場合は、精神的苦痛を被りますから、慰謝料請求が可能です。
DVやモラハラがあったことを理由に慰謝料請求する場合でも、DVやモラハラを受けたことの証拠を押さえることがポイントです。
 

配偶者が勝手に別居し生活費を入れないケース

性格の不一致によって配偶者が家を出ていき、生活費も渡さないといった状態になった場合です。この場合は、経済的DVまたは悪意の遺棄に当たることから、法定離婚事由に当たります。
また、経済的DVや悪意の遺棄を受けた場合も、精神的苦痛を被りますから、慰謝料請求が可能です。
 

性格不一致により離婚する際に弁護士へ依頼する意味

性格不一致で離婚する際の難易度は事案により異なります。
夫婦のどちらも性格が合わず、離婚したいと考えているなら、夫婦の話し合いだけで離婚することも難しくありません。
しかし、性格が合わないと感じているのがこちらだけで、相手が離婚を拒否しているケースでは、離婚が難しくなります。
性格不一致のみだと、基本的に裁判離婚できないため、協議離婚、又は調停離婚で離婚を成立させなければなりません。
性格不一致で離婚する際に、弁護士に依頼することの意味は次のとおりです。
 

  • ・相手に本気で離婚したがっていることを認識させられる
  • ・離婚の条件について冷静に話をまとめられる
  • ・性格不一致以外にも離婚事由を見つけてもらえることもある

 
一つ一つ確認しましょう。
 

相手に本気で離婚したがっていることを認識させられる

離婚の交渉の早い段階で弁護士を立てることで、本気で離婚したいと思っていることを相手に印象付けることができます。
 

離婚の条件について冷静に話をまとめられる

性格不一致で離婚する場合も、離婚の条件については妥協すべきではありません。
財産分与など自分の権利についてはしっかり主張すべきですし、そのためには、弁護士に依頼したり、相談すべきです。
 

性格不一致以外にも離婚事由を見つけてもらえることもある

自分では性格不一致が離婚の原因だと思っていても、第三者が見れば、他の離婚原因が浮かび上がることもあります。
特に、DV、モラハラは受けている本人は気づいていなくて、第三者に指摘されて、DV、モラハラ被害を受けていると分かることもあります。
弁護士にご相談いただければ、性格不一致以外にも離婚事由を見つけられることもあります。
 

まとめ

性格の不一致は、離婚原因としては多いですが、法定離婚事由ではないため、離婚が難しいこともあります。また、慰謝料請求も原則としてできません。
もっとも、性格不一致の他にもDV、モラハラといった離婚事由がある場合は、離婚裁判が可能だったり、慰謝料請求できることもあります。
性格不一致により離婚したいけど、様々な問題を抱えている場合は、早めに弁護士にご相談ください。

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