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不当な婚約破棄で慰謝料請求できるケースとは? 金額の相場も解説

婚約が不当に破棄されたことを理由に慰謝料を請求することができます。ただ、慰謝料請求するためには、婚約が成立していること、婚約成立の客観的な証拠があること、婚約破棄が不当である(正当な理由がない)という3つの要件を満たす必要があります。婚約不当破棄による慰謝料請求のポイントを解説します。
 

婚約不当破棄で慰謝料請求できるケース・できないケースについて解説

婚約が不当に破棄されたならば、慰謝料を請求することができます。そのためには、3つの要件をクリアしなければなりません。
この記事では、婚約不当破棄を理由に慰謝料請求できるケース・できないケースについて詳しく解説します。
 

婚約不当破棄による慰謝料請求の3つの要件

婚約不当破棄による慰謝料請求には、まず、3つの要件をクリアしている必要があります。
 

  • ・婚約が成立している
  • ・婚約の成立を示す客観的な証拠がある
  • ・婚約破棄が不当である(正当な理由がない)

 
一つ一つ確認しましょう。
 

婚約が成立している

婚約不当破棄を理由に慰謝料請求をするには、婚約が成立している事が前提になります。
婚約は、婚姻届のような明確な書類を書くことはほとんどなく、婚約したと言えるのかよく分からないことも少なくありません。
一般的には、プロポーズされて承諾した。または、プロポーズして承諾されたという時に、婚約は成立したことになります。
中には、プロポーズするのが気恥ずかしくて、明確なプロポーズをしないままのカップルもいるかもしれません。
そのような場合でも、客観的にみて、二人が結婚に向けて準備を始めているなら、婚約が成立していると言えることもあります。
代表的なのは、両親に結婚の挨拶をしている場合です。
 

婚約の成立を示す客観的な証拠がある

婚約不当破棄を理由に慰謝料請求する際は、婚約成立がカップル同士の口約束にとどまらず、客観的にみて、婚約が成立していると分かる証拠が必要です。
プロポーズは、他人が見ている前ですることもあるかもしれませんが、二人っきりの状況でなされることが多いものです。
つまり、プロポーズしたことは、録音でもしていない限り、当事者である二人しか知りません。
その後、破局して、プロポーズなんてした覚えはないと主張されてしまうと、いわゆる「言った」「言わない」の争いになってしまいます。
そのため、口約束以外の客観的な証拠が必要になるわけです。
 

婚約破棄が不当である(正当な理由がない)

婚約破棄された場合、必ず慰謝料を請求できるわけではありません。
正当な理由なく婚約破棄された場合だけです。
例えば、あなたが婚約破棄された場合でも、その原因が、あなたから婚約者へのDVだとか、あなたの浮気だった場合は、あなたの方から慰謝料を請求することはできません。
婚約破棄に正当な理由があるといえるからです。
 

婚約の成立要件

婚約は、婚姻と異なり、法律で決められた成立要件があるわけではありません。
婚姻したい人同士が将来結婚することを約束するだけで成立します。
婚約証明書といった書類を作成する必要はなく、口約束だけでも成立します。
先に紹介した通り、プロポーズに対して承諾したならば、婚約は成立したことになります。
しかし、婚約不当破棄により慰謝料請求する場面では、婚約の成立を立証する必要があります。
相手が婚約したことを認めないケースでは、他の証拠により婚約の成立を示す必要があるということです。
 

婚約成立の証拠とは?

婚約成立の証拠となりうるものは、当事者同士の口約束以外で、形として残っているものです。
代表的な例は次のとおりです。
 

  • ・婚約指輪をやり取りした場合のその実物
  • ・婚約指輪を購入した際の契約書や領収書
  • ・結婚式場の予約を入れた際の契約書や領収書
  • ・両家の顔合わせを行った際の写真や資料
  • ・結納の儀式や結納金の授受を済ませたことを示す証拠
  • ・結婚式の案内を送付した際の案内状や送付者リスト

 
こうした証拠は、一つだけでは弱いこともあるため、複数揃っているとより強力な証拠になります。
 

不当な婚約破棄の具体例とは?

慰謝料請求の前提として、婚約破棄が不当(正当な理由がない状況)である必要があります。
では、どのような場合が不当な婚約破棄なのでしょうか。
具体例を紹介します。
 

単に心変わりしただけ

相手が特に理由がないにもかかわらず、一方的に婚約破棄する場合です。
もちろん、婚約後、付き合い続けてみて、お互いに結婚は無理と気づいて、納得して別れるケースでは、慰謝料を請求することはできません。
そうではなく、相手が一方的に理由を示さずに婚約破棄してきた場合ならば、慰謝料の請求ができる可能性があります。
 

自分とは合わないという理由により婚約破棄された

どれほど愛し合っているパートナーでも、育った環境や価値観のちょっとした違いがあるものです。相手と生活環境や価値観から考え方まで何もかも完全に一致しているということのほうが珍しいでしょう。
夫婦の婚姻生活はその違いを乗り越えて、より良い関係を築いていくものです。
それにもかかわらず、性格や価値観などが自分とは合わないからという理由だけで、一方的に婚約破棄されたケースなら、慰謝料の請求ができる可能性があります。
 

他の人と婚姻したという理由により婚約破棄された場合

婚約した後で、婚約者が他の人と婚姻してしまった場合です。
婚約は、婚姻届のように正式に成立したことを示す手段がないため、拘束力は弱いのが実情です。
そのため、婚約者が、勝手に他の人と婚姻してしまうということもあり得ます。
もちろん、婚約後、話し合いによって解消した上で、他の人と婚姻したならば、非はありません。そうした手順を踏まずに、先に他の人と婚姻届を出した後で、一方的に婚約を破棄すると告げられたケースなら、慰謝料の請求ができる可能性があります。
 

婚約破棄の理由が出自だった

婚約時は、相手のことをまだ完全に知ることができていないこともあります。
婚約した後で、相手のことを調べて、被差別部落出身だとか、在日であることが発覚したために、婚約破棄したというケースです。
このように出自を理由に婚約破棄することは不当ですから、慰謝料請求できます。
 

親が反対しているという理由により婚約破棄された

結婚は当事者同士の気持ちが第一ですが、親や家族との関係も重要です。
そのため、親が結婚に反対しているから、結婚できないというケースもあります。
ただ、親が反対しているからという理由だけで婚約破棄するのは不当なので、慰謝料の請求ができる可能性があります。
もちろん、プロポーズの後で、やっぱり、親に反対されたから無理というケースだと、慰謝料請求は難しいかもしれませんが、結婚に向けて、様々な準備が進んだ段階になってから、婚約破棄したケースでは、慰謝料の請求ができる可能性があります。
 

婚約破棄することに正当な理由があるケースとは?

婚約破棄してきた側が、正当な理由があって婚約破棄したと主張しているケースでは、相手に慰謝料請求することはできません。
では、どのような場合が正当な理由があると言えるのでしょうか。
 

あなたが不貞(浮気・不倫)していた

婚約した後で、あなたが別の人と不貞行為(浮気・不倫)をしていた場合です。
婚姻が成立した後の不貞行為は、民法770条により、法定離婚事由となり、離婚の訴えを提起することができます。
婚約段階での不貞行為については、法律上の規定はありませんが、婚約が成立している以上は夫婦に準じた貞操義務が生じると考えられます。
貞操義務を破って不貞行為をしていたことが発覚したならば、婚約破棄を申し出ることができます。
あなたが不貞行為をしていた場合は、あなたの方から慰謝料を請求することはできません。むしろ逆に慰謝料を相手から請求されてしまう可能性があります。
 

相手にDVをしていた

あなたが婚約者に対してドメスティック・バイオレンス(DV)をしていた場合です。
DVと言うと結婚して配偶者になった後の家庭内暴力というイメージがあるかもしれませんが、恋人段階での暴行等もDVに当たります。
そして、DVには暴力以外にも様々な種類があります。代表的なのは次のような行為です。
 

  • ・身体的暴力(殴る、蹴るといった暴行)
  • ・精神的暴力(怒鳴りつけたり、無視するといった言動によるもの)
  • ・経済的暴力(生活費を渡さなかったり、高価なプレゼントを要求するなど)
  • ・社会的暴力(家族や友人とのつきあいを制限する、仕事を制限するなど)
  • ・性暴力(避妊に協力しなかったり、嫌がっているのに性的なものを見せるなど)
  • ・デジタル暴力(位置情報アプリで監視する、スマホを細かくチェックすることなど)

 
あなたがこうしたDVを相手にしてしまい、相手がそれに耐えられずに婚約破棄を求めてきた場合は、あなたの方から慰謝料を請求することはできません。
むしろ、相手からあなたに対してDVを理由に慰謝料の支払いを求められる可能性があります。
 

結婚に関する重要な取り決めを一方的に決めたり変更した

婚姻や結婚後の生活についての重要な事項については、婚約者同士が話し合って決めるべきです。例えば、新居をどこに構えるのか、結婚後も共働きするのか、子どもはどうするのかといったようなことです。
それにもかかわらず、相手と話し合わずに、結婚後の新居を勝手に決めるなどしていた場合は、相手が対等な夫婦関係を築くことは難しいと思うのもやむを得ないことと言えます。
こうした事情を理由に婚約破棄を求めてきた場合は、相手に対して慰謝料を請求するのは難しいです。
 

社会常識を逸脱した言動をしていた

婚約後にあなたが社会常識を逸脱した言動をしていた場合です。
あなたの行動が目に余るようだと、相手が結婚後、正常な夫婦関係を築くことは難しいと思うのもやむを得ないことと言えます。
こうした事情を理由に婚約破棄を求めてきた場合は、相手に対して慰謝料を請求するのは難しいです。
 

経済的に大きな変化が生じてしまった

婚約した後で、あなたや婚約者が失業してしまい、再就職の見込みもないような場合です。
結婚後、夫婦の生活を維持できないことが明白ならば、婚約破棄に正当な理由があると言えます。
こうした理由による婚約破棄のケースでは、相手に対して慰謝料を請求するのは難しいです。
 

婚約不当破棄の慰謝料金額の相場

婚約が不当に破棄されたケースにおける慰謝料の金額の相場は、数十万円から300万円程度とされており、幅が広いです。
実際に請求できる金額は、婚約破棄の理由や状況により大きく異なります。
 

婚約不当破棄の慰謝料金額が高額になるケース

婚約不当破棄について、高額な慰謝料金額を請求できるケースは次のような場合です。
 

  • ・婚約前の交際期間が長い場合
  • ・婚約後、婚約破棄までの期間が長い場合
  • ・婚約破棄の理由が不貞行為の場合
  • ・DVが婚約破棄の理由の場合
  • ・婚約破棄時に結婚の準備が最終段階に進んでいた場合
  • ・女性が既に妊娠している場合
  • ・婚約破棄された相手が仕事を辞めている場合

 
長い交際期間の末に婚約破棄されたケースは、それまでの多大な期間を無駄にしてしまったことになりますし、精神的ショックも計り知れません。そのため、慰謝料が高額になります。
また、婚約破棄された理由が不貞行為やDVだというケースでは、逆に相手から慰謝料を請求されることがあります。この場合は、離婚の慰謝料とほぼ同様になるため、金額が高額になりがちです。
女性が妊娠していたり、相手が仕事を辞めているなど後戻りできない状況にあるにも関わらず、婚約破棄したケースも、精神的ショックが大きく、慰謝料の金額が高額になります。
 

婚約不当破棄の慰謝料金額が少なくなるケース

婚約不当破棄と言えるケースでも慰謝料が少なくなるケースもあります。主に次のような場合です。
 

  • ・婚約前の交際期間が短いケース。
  • ・婚約から婚約破棄までの期間が短いケース。
  • ・婚約破棄された側にも落ち度があるケース。
  • ・婚約したと言えるかどうか曖昧な場合。

 
交際期間が短かったり、婚約後、早い段階で婚約破棄したケースでは、不当な理由でも慰謝料の金額は低くなります。
また、婚約破棄の理由が不当だったとしても、落ち度が婚約破棄された側にもある場合は、慰謝料の金額が少なめになります。
そして、そもそも、婚約したと言えるかどうか曖昧な状況の場合は、婚約の成立自体を否定されて、慰謝料を請求できないケースもあります。
 

婚約不当破棄による慰謝料請求で、まずやるべきこと

婚約が不当に破棄された直後は、精神的ショックが大きく、冷静な判断が難しいことがほとんどです。
しかし、慰謝料請求では、冷静に行動することが大切です。
まず行うべきことは次の2つです。
 

  • ・婚約の成立を示す客観的な証拠を集める。
  • ・婚約破棄の理由を把握する。

 
婚約破棄を理由に慰謝料請求する際の前提となるのが、「婚約の成立を示す客観的な証拠」があることです。
相手と交わした様々な書類や証拠は、もはや目にしたくなく、すぐにでも捨てたくなるかもしれません。
しかし、慰謝料請求のためにはそうした証拠が非常に重要なので、捨てないようにしてください。
 
さらに、相手が婚約破棄してきた理由を再確認しましょう。
この記事で紹介したように不当な理由ならば、慰謝料の請求ができる可能性があります。
 

婚約不当破棄による慰謝料請求なら弁護士にご相談ください

婚約不当破棄により慰謝料請求したい場合は、まず、弁護士にご相談ください。
あなたが自分自身で婚約者に対して、慰謝料の支払いを求めても、相手は本気で取り合ってくれないかもしれません。
それどころか、あなたとの連絡を断って、行方をくらませてしまうこともありえます。
そうした事態を避けるためには、弁護士に依頼し、弁護士から慰謝料を請求するのが最善です。
婚約不当破棄でつらい思いをされているなら、今すぐ、弁護士にご相談ください。

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