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不倫相手が未成年者であった場合、本人や親に慰謝料請求はできるのか? リスク要因も解説

配偶者の不倫相手が未成年者であった場合でもその未成年者に対して慰謝料請求することができます。ただし、支払い能力がないことや示談交渉を親権者に取り消されてしまうリスクがあるため、相手方との交渉では工夫が必要です。また、未成年者との性行為は不同意性交等の犯罪に該当する可能性があり、逆に刑事告訴や慰謝料を請求されてしまうリスクがあることを考慮すべきです。
 

不倫相手が未成年者!? 慰謝料請求はできるのか? リスク要因も解説

配偶者の不倫相手が未成年者であった場合、その未成年者に対して慰謝料を請求できるのでしょうか?
結論から言うと、未成年者に対して、不倫(不貞行為)の慰謝料を請求することは法律的には可能です。
しかし、未成年者には支払い能力がないことや示談しても親権者に取り消されてしまうといったリスクがあります。そして、未成年者と性行為することは不同意性交等の犯罪に該当してしまい、あなたの配偶者が性犯罪者となってしまうリスクがあります。
不倫相手が未成年者であった場合、どう対処すべきなのかについて詳しく解説します。
 

未成年者に対する不倫の慰謝料を請求することは可能か?

最近では、未成年でも出会い系アプリなどを利用しているため、不倫の相手が未成年者だったというケースもあります。
では、配偶者の不倫相手が未成年者であった場合、その未成年者に慰謝料を請求することはできるのでしょうか?
結論から言うと、未成年者に慰謝料を請求することは可能です。
 

慰謝料請求の前提としての責任能力とは?

慰謝料請求するためには、慰謝料請求する相手方、つまり、加害者に責任能力がなければなりません。
責任能力と言うと、刑法で、「14歳に満たない者の行為は、罰しない(刑法41条)」と定められているのが、比較的よく知られていると思います。
しかし、民事上の損害賠償請求に当たっての責任能力は、このように年齢の線引があるわけではなく、自分の行いが不法行為に当たることを認識しているかどうかにより判断します(民法712条)。
つまり、結婚している人と性行為することは不倫にあたり、道徳的にも法的にも許されないことを理解しているかどうかです。
性行為を行える年齢に達していれば、未成年者でも不倫が悪いことである点は認識していると考えられるため、責任能力があると判断して差し支えないと考えられます。
 

不倫相手が未成年者であった場合の慰謝料の相場

不倫相手が未成年者であった場合でも、慰謝料の相場は、一般的な不倫(不貞行為)の慰謝料の相場と同じです。
 

  • ・不倫発覚後も夫との婚姻関係を維持するなら、50万円~100万円
  • ・不倫により離婚することになった場合は、100万円~300万円

 
おおよそ、このような相場になります。
このように未成年者が不倫の相手であった場合も、慰謝料請求は可能ですが、実際には様々な問題が立ちはだかります。
 

未成年者に不倫の慰謝料を請求する際の問題点

未成年者に不倫(不貞行為)についての慰謝料を請求する際は、様々な問題に直面します。具体的に見ていきましょう。
 

未成年者本人と示談交渉できるのか?

慰謝料を請求するためには、不倫相手と示談交渉を行い、示談を成立させる必要があります。
不倫相手が未成年者であった場合でも、原則として、本人が交渉相手になります。
ただ、示談は契約と同じ、法律行為に該当します。
未成年者が法律行為をするには、親権者の同意を得ている必要があり、その同意がない場合は、後から取り消すことができることになっています(民法5条)。
つまり、未成年者本人と示談交渉するに当たっては、その親権者の同意を得ていないと、示談を成立させてもいつでも取り消されてしまう可能性があります。
示談交渉の場に未成年者本人が出てきた場合は、親権者に確認してから交渉に入るか、親権者にも連絡して追認するかどうか確認するといった対応が必要です。
一般的には、未成年者本人だけでなく親にも同席してもらうか、親に代理人として示談交渉に臨んでもらう形になります。
 

未成年者本人に支払い能力があるのか?

不倫相手に慰謝料請求する際は、相手に支払い能力がなければ、意味がありません。
不倫相手が未成年者であった場合、支払い能力が期待できないことがほとんどです。
義務教育中の未成年者は一般的に働いていませんし、高校生でも学業に差し支えない範囲でアルバイトしている程度でしょう。
そんな未成年者に、50万円、100万円といったまとまった金額の慰謝料を支払わせることは現実的ではありません。
 

未成年者の親に慰謝料請求できるのか?

不倫相手となった未成年者自身に慰謝料の支払い能力がない場合は、その親に請求すればよいのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、不倫相手は未成年者の親ではないため、未成年者の親に対して慰謝料の支払いを求めることはできません。
もしも、責任能力が未成年者にない場合は、監督義務者である親に対して、監督義務者としての責任を追及する形で、慰謝料の支払いを求めることも可能です(民法714条)。
ただ、性行為を行える年齢に達していれば、未成年者でも、不倫については責任能力がありと判断するのが一般的なので、親に対して監督義務者としての責任を追及することはできません。
もっとも、親が未成年の子どもが不倫(不貞行為)をしないように監督する義務を怠ったために、未成年の子どもが不倫(不貞行為)を行ったという相当因果関係を立証できる場合は、親に対して民法709条に基づく損害賠償請求、つまり、慰謝料請求も可能です。ただ、こうした形で、親に慰謝料請求するのは難しいことがほとんどです。
 

未成年者に不倫の慰謝料を請求する際のポイント

不倫相手となった未成年者に対して慰謝料を請求する場合どのような点に注意すればよいのか解説します。
 

不倫の確実な証拠を押さえる

未成年者に対して、不倫を認めさせることは容易ではありません。
一般的には、未成年者本人と交渉する前に、親が出てくるでしょう。
「あなたの子どもが不倫しています」と口だけで説明したところで、親が納得するはずがありません。
親にも、子どもが不倫相手だと認めさせるだけの確実な証拠が必要です。
具体的には、
 

  • ・あなたの配偶者と未成年の不倫相手がラブホテルに出入りしている場面の証拠写真や動画データ。
  • ・あなたの配偶者と未成年の不倫相手がLINEやメールなどでやり取りしていた証拠。

 
といったようなものです。
こうした決定的な証拠を示せないと、親が交渉に応じてくれない可能性が高いです。
 

示談交渉に親を関与させる

既に述べたとおり、未成年者との示談交渉は、親の関与が必要です。
親抜きで未成年本人と交渉して、示談金を支払わせることに成功したとしても、親がその示談の成立を否定(取消し)した場合は、支払いを受けた示談金を全額返金しなければならないことになります。
示談交渉の場に親を立ち会わせるか、親に代理で交渉して貰う必要があります。
示談書を作成した場合は、未成年者の親に署名・押印を求める必要があります。
 

親を連帯保証人にする

不倫相手が未成年者であった場合、高額の示談金を未成年者本人が支払うことは期待できません。
既に述べたとおり、不倫の慰謝料については親に対して支払いを求めることは難しいです。
そこで検討すべきことが、親を連帯保証人にすることです。
親が連帯保証人になれば、慰謝料を未成年者が支払わなかった場合は、親に対して慰謝料相当額の支払いを求めることができます。
 
なお、親には、未成年者の連帯保証人にならなければならない法的義務はないため、親が自発的に応じた場合のみ可能であることに注意してください。
 

親に示談金を立て替えてもらう

不倫相手が未成年者であった場合、高額な示談金を一括で支払うことは期待できないため、分割払いになることも多いと考えられます。
ただ、未成年者の場合、正社員として働いている人は少なく、毎月一定の定期収入があるとは限りません。
分割払いにしたとしても月々の支払いは数千円程度ということも考えられます。
これでは示談金全額の支払いを受けるまで何年かかるかわかりません。
このような場合は、親に一括して支払ってもらうことも検討しましょう。
未成年者の親にとっても、延々と関わるよりも一括して支払って関係を切ることの方がメリットがあると感じるはずです。
 

未成年者との不倫をきっかけに離婚する場合のポイント

配偶者が未成年者と不倫(不貞行為)していたことが発覚したのを機に離婚する場合は、不倫相手となった未成年者に慰謝料を請求するのではなく、配偶者に対して全額の慰謝料の支払いを求めましょう。
不倫相手となった未成年者に対しては腹立たしく思うかもしれませんが、不倫相手に経済力がない場合、慰謝料請求のために時間を費やすのは徒労でしかありません。
 
不倫(不貞行為)の慰謝料は、配偶者と不倫相手となった未成年者の双方に支払い義務が発生し、双方の義務は連帯債務の関係になります。
どちらに対しても、まとめて全額請求することができるわけです。
それなら、一般的に経済力のある配偶者に対して全額の支払いを求めたほうが手っ取り早く慰謝料を回収できます。
 

配偶者が未成年者と不倫した場合のリスク

配偶者が未成年者と不倫(不貞行為)をしていた場合は、慰謝料を請求できるかどうかとは別の問題が生じるリスクがあります。
 

配偶者が性犯罪者とされるリスクがある

成年者が未成年者と性行為を行うことは、様々な法律に抵触するおそれがあります。具体的には次のような法律です。
 

  • ・青少年保護育成条例
  • ・児童ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)
  • ・刑法の不同意性交等罪(刑法177条)

 
青少年保護育成条例は、18歳未満の青少年との性交等が禁止されている条例です。
児童ポルノ禁止法は、「児童」とありますが、保護の対象となるのは、18歳未満の未成年者のすべてです。児童買春や児童ポルノの撮影などが禁止されます。
配偶者が未成年者と不貞行為をした上、その様子の写真などを撮影していれば、児童ポルノに該当してしまいます。性行為をしていなくても相手の裸などの写真がある場合も同様です。
そして、相手が16歳未満の場合は自動的に刑法の不同意性交等罪に該当してしまいます(13歳以上の場合は5歳以上年齢が離れている場合)。
 

未成年者側から慰謝料を請求されるリスクがある

配偶者が上記のいずれかの規定に抵触した場合は、不倫の相手である未成年者が被害者になり、あなたの配偶者は加害者、つまり、性犯罪者となってしまい、未成年者側から刑事告訴された上、慰謝料請求されてしまうリスクがあります。
このような場合は、不倫の相手である未成年者に慰謝料を請求するどころではなく、配偶者の逮捕、勾留、起訴を回避するために、示談金を支払わなければならないハメになることもあります。
特に、不同意性交等罪に該当した場合の示談金の相場は、100万円〜300万円程度とされているため、不倫の慰謝料と同程度の金額を支払わなければならないことになります。
 

社会的な制裁を受けてしまうリスクがある

不倫が発覚しただけでしたら、家庭内の問題に過ぎず、社会的な制裁を受けずに済むこともあるかもしれません。
ところが、不倫の相手が未成年者であることが発覚した場合は、性犯罪を犯した場合と同等の社会的な制裁を受けてしまうリスクがあります。
 

未成年者に不倫の慰謝料を請求する際の現実的な対応方法

あなたの配偶者の不倫相手が未成年者であった場合、その未成年者に対して、慰謝料を請求することも可能です。
一方で、上記で解説したとおり、あなたの配偶者は様々な法律に抵触する行為を行っていた可能性があり、その事が発覚した場合は、逆に、未成年者側から刑事告訴されたり、示談金の支払いを求められるリスクがあります。
こうしたことを考慮し、未成年者に対して、不倫の慰謝料を請求するべきなのか慎重に検討する必要があります。
 

まずは弁護士に相談する

あなたの配偶者の不倫相手が未成年者であった場合は、ご自身で動く前に、まず弁護士にご相談ください。
弁護士にご相談いただければ、状況に応じて、どのように対応するのが最善なのか、慎重に判断することができます。
 

相手方との交渉は弁護士に依頼する

未成年者と慰謝料の交渉をする際は、未成年者側は親が出てきます。
自分の子どもが不倫をしていたと言った類の話に対して、冷静に対処できる親は少ないでしょう。
ご自身で交渉しようとしても、相手方が感情的になりやすく、冷静な話し合いは難しいものです。
このような場合は、弁護士に交渉を依頼したほうが、話がまとまりやすくなります。
 

まとめ

配偶者の不倫相手が未成年者であった場合も、慰謝料請求は可能ですが、実際には様々な問題が生じがちです。
不倫相手が未成年者だと分かった場合は、早めに弁護士に相談し、対応方法を検討するようにしてください。

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