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夫側からの慰謝料請求が認められるケースとは? 妻側の対処法も解説

離婚や不貞行為の慰謝料は、夫から妻に対して請求できることもあります。夫側の慰謝料が認められるのはどのようなケースか? 妻側は慰謝料の支払いを求められた場合、どう対処すべきなのかについて解説します。
 

夫側からの慰謝料請求が認められるのか? 妻側の対処方法も解説

離婚や不貞行為(浮気、不倫)の慰謝料請求は、妻から夫に対して請求するものとは限らず、夫側から妻に対して請求することもあります。
夫側からの慰謝料請求が認められるのはどのようなケースなのか。
実際に、慰謝料の支払いを求められた場合、どう対処すべきなのかについて解説します。
 

夫側から慰謝料請求する事はできるのか?

離婚や不貞行為(浮気、不倫)の慰謝料と言うと、妻から夫に対して請求するものというイメージがあるかもしれません。
しかし、離婚や不貞行為の慰謝料は、妻側の権利として固定されているわけではなく、夫側が妻に対して慰謝料請求するケースもあります。
 

夫側からの慰謝料請求が認められるケースとは?

夫側からの慰謝料請求が認められるのはどのようなケースか見ていきましょう。
 

妻が他の男性と不貞行為(浮気、不倫)をしていたケース

妻が夫以外の男性と不貞行為(浮気、不倫)をしていたケースです。
この場合、離婚するか、しないかにかかわらず、夫に対する裏切り(不法行為を行ったこと)になるため、慰謝料の支払い義務が生じます。
 

妻が夫に対してモラハラやDVをしていたケース

家庭内のモラハラやDVというと、夫が妻に対してするものというイメージがありますが、妻が夫に対してモラハラやDVをしているケースもあります。
妻のモラハラやDVにより夫が精神的苦痛を被っている場合は、慰謝料の支払い義務が生じます。
なお、DVは、殴る蹴るといった暴行に限らず、様々なパターンがあります。
主な例は次のとおりです。
 

  • 身体的暴力: 殴る蹴るといった暴行。
  • 精神的暴力: 怒鳴ったり、物を投げる、バカにしたり脅すなどで精神的に追い詰める。
  • 経済的暴力: 生活費を渡さない、お金の使い方を極端に制限するなど。
  • 社会的暴力: 友人や身内との付き合い方を制限するスマホをチェックする、行動をチェックするなど。
  • 性的暴力: 性的行為を強要するなど。
  • 子どもを利用した暴力: 子どもの前で暴力を振ったり、バカにしたり、子どもに悪口を吹き込む

 

妻が悪意の遺棄をしていたケース

悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の同居義務・協力義務・扶助義務を放棄することです。
妻が理由なく家を出たり、家事などに協力しなかったり、生活に必要なお金を出さないといった行為をしており、夫婦の共同生活を維持することが難しい状況を作り出している場合は、夫側から慰謝料請求されてしまうこともあります。
 

妻が正当な理由なく性行為を拒んでいたケース

正当な理由なく、夫との性行為を拒絶して、夫に深い精神的ダメージを与えていた場合は、夫側から慰謝料請求されてしまうこともあります。
 

夫側からの慰謝料請求が認められないケース

夫側からの慰謝料請求が認められるのは、妻側に何らかの落ち度があるケースです。どちらか一方が悪いわけではない場合は、慰謝料請求はできません。
代表的なのは次のケースです。
 

性格の不一致により離婚するケース

夫婦が性格の不一致を理由に離婚する場合です。性格が合わないということは、どちらに非があるわけでもありません。
もちろん、妻が夫に合わせなければならない義務があるわけでもありません。
そのため、旦那から(性格的に)嫁としてダメだ等と言われたとしても、慰謝料を支払わなければならないことになるわけではありません。
 

価値観の相違などを理由に離婚するケース

夫婦の性格以外に価値観が合わないことを理由に離婚する場合です。
価値観が合わないことはどちらかに非があるわけではありませんし、妻が夫側に合わせなければならないという決まりもありません。
むしろ、夫が妻に価値観を合わせるよう強要している場合は、モラハラに当たる可能性もあります。
 

夫側からの慰謝料請求が認められる場合の慰謝料の相場

夫側からの慰謝料請求が認められる場合は、具体的にどれだけの慰謝料を支払えばよいのでしょうか。
まず、夫との婚姻関係を継続するのかどうかにより、相場が異なります。
婚姻関係を継続する場合は、50万円〜100万円程度が相場です。
離婚する場合は、100万円〜300万円程度が相場になります。
 
また、夫側からの慰謝料請求の事由ごとの相場は、次のとおりです。
 

  • 不貞行為:100万円~300万円
  • DV・モラハラ:50万円~300万円
  • 悪意の遺棄:50万円~300万円
  • その他・セックスレス等:数十万円~100万円

 

夫側から慰謝料請求された場合の対処方法

夫側から慰謝料請求された場合、慰謝料の支払いについて、どのように対処したらよいのでしょうか?
次の3つのケースごとに確認しましょう。
 

  • ・慰謝料請求とともに離婚を切り出されたケース
  • ・離婚しないものの慰謝料の支払いを求められたケース
  • ・離婚後に慰謝料の支払いを求められたケース

 

慰謝料請求とともに離婚を切り出されたケース

離婚を前提に慰謝料請求された場合です。
離婚する場合は、財産分与を行うことになります。これは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚に際して平等に分け合うというものです。
慰謝料請求された場合、請求額の分だけ、妻側の財産分与の金額が減額されてしまうこともあります。
こうなると、財産分与されるものと見込んでいた金額を受け取れなくなることもあります。
 
妻側が慰謝料を支払う義務が本当にあるのかどうか、よく検討する必要があります。
例えば、妻が他の男性と不貞行為をしたとしてもその時点ですでに、夫との婚姻関係が破綻している場合は、慰謝料を支払う義務はありません。
 

離婚しないものの慰謝料の支払いを求められたケース

離婚しないが夫が妻に対して慰謝料を請求する場合です。
婚姻関係を続ける場合は、生計が同じである以上、家計内で妻から夫にお金が流れるだけであまり意味のあることではありません。
それでもあえて、夫が妻に対して、慰謝料を請求するということは、妻に反省してほしいといった思いを持っているものと考えられます。
非がある場合は素直に認めて、夫との関係を修復することを目指すべきでしょう。
もしも、夫から慰謝料を請求されたのに非を認めなかったり、感情的になって反発したり、不誠実な対応をしてしまうと、離婚を要求されてしまう可能性もあります。
 

離婚後に慰謝料の支払いを求められたケース

離婚の際は、慰謝料請求されていなくても、離婚後に慰謝料請求されることもあります。
離婚してしまえば関係が完全に切れるわけではなく、慰謝料の支払い義務が生じることもあります。
次の要件を満たしている場合です。
 

  • ・慰謝料請求権の消滅時効が成立していない。
  • ・離婚時に離婚協議書などで清算条項を盛り込んでいない。
  • ・夫側が不法行為の証拠を握っている。

 

慰謝料請求権には消滅時効があります。

具体的には、夫側が損害及び加害者を知った時から3年が経過すると時効が成立します。
不貞行為の場合であれば、妻が不倫していた事実と不倫相手を知ったときから3年が経過した場合は、慰謝料請求できません。
また、離婚時に離婚協議書を作成しており、清算条項を盛り込んでいる場合も慰謝料請求はできません。例えば、「慰謝料を請求しない」「離婚後はいかなる名目でも互いに金銭請求をしない」といった条項がある場合です。
そして、慰謝料請求に当たっては、具体的な証拠を提示するのが一般的です。
不貞行為であれば、探偵などに依頼して、妻が他の男性とラブホテルなどに出入りしている場面の写真や動画などを撮影しているかどうかです。
こうした証拠を夫側が示していない場合は、基本的に慰謝料の支払いに応じる必要はありません。
 

夫から慰謝料請求された不倫相手が慰謝料を支払う場合は?

不貞行為(浮気、不倫)を理由とする慰謝料は、妻ではなく、その不倫相手の男性に対し請求することもあります。
この場合、妻としては別途慰謝料を支払う義務が生じるのでしょうか?
 

妻にも慰謝料支払い義務が生じる場合

不貞行為(浮気、不倫)の慰謝料は、妻と不倫相手の男性が連帯して夫に支払わなければなりません。
夫側からすると、妻と不倫相手の男性のどちらに対しても、全額の支払いを求めることができます。
例えば、慰謝料の金額が200万円だったとします。
この場合、夫は、妻と不倫相手の男性のどちらに対しても、200万円全額の支払いを求めることができます。それぞれ100万円ずつが限度となるわけではありません。
そのため、不倫相手の男性が200万円請求されたものの1円も支払えない場合は、妻が200万円全額支払わなければならないこともあります。
また、不倫相手の男性が50万円だけ支払ったケースでも、残りの150万円を妻が支払わなければならないこともあります。
 

妻に慰謝料支払い義務が生じない場合

不貞行為(浮気、不倫)の慰謝料について、妻に支払い義務が生じないケースとしては、不倫相手の男性が全額支払った場合が挙げられます。
慰謝料の金額が200万円だとして、不倫相手の男性が200万円を全額夫に支払っている場合です。
 

慰謝料を支払った場合の求償関係とは?

不貞行為(浮気、不倫)の慰謝料は妻と不倫相手の男性が連帯して夫に支払う義務があります。
そして、一方が自分の責任の割合を超えて支払った場合は、責任の割合を超える分については求償することができます。
例えば、慰謝料の金額が200万円で、妻と不倫相手の男性の責任が半分ずつだったとします。
そして、不倫相手の男性が200万円全額を夫に支払った場合は、妻に対して、半分の100万円を求償できるということです。
そのため、妻としては、不倫相手の男性が全額支払えば、自分に支払い義務が生じないと安心してよいわけではなく、不倫相手の男性から求償される可能性があるということです。
 
もっとも、不倫発覚後も夫婦が離婚しない場合は、家計が同じなので、夫が200万円の慰謝料を手にしても、そのうち100万円は妻が求償を受けてしまうという関係になるため、不倫相手の男性に対して、求償権を放棄してもらい、慰謝料の金額も100万円とすることもあります。
 

夫側から慰謝料請求と離婚を求められた場合の現実的な対応方法

夫側から慰謝料請求と離婚を求められた場合は、慰謝料の支払いに応じる以外にどのような対応をすればよいのか解説します。
 

離婚の理由の確認

夫側から離婚を求めている場合、どういう理由で離婚したいと考えているのかよく問いただしましょう。
離婚理由が上記で解説した慰謝料請求が認められるケースに該当しない場合は、離婚に応じるかどうかにかかわらず、慰謝料の支払い義務はありません。
例えば、夫が離婚の理由として、性格の不一致や価値観の相違などを理由に上げている場合です。
 

慰謝料請求に関する証拠の有無の確認

慰謝料請求をするには、夫側が妻の不法行為の証拠を示さなければなりません。
証拠がないにも関わらず、不倫をしているといった言いがかりをつけてきている場合は、慰謝料の支払いに応じる必要はありません。
 

慰謝料の支払いに応じる場合でも請求できるお金はしっかり取る

慰謝料の支払い義務が生じる場合でも、離婚の際に請求できる金銭等が全く受け取れなくなるわけではありません。
離婚の際は、次のような形で夫側に対して金銭等の請求ができます。
 

  • 財産分与:婚姻期間中に夫婦が形成した財産について原則として半分に分け合います。
  • 養育費:夫婦の間に未成年の子どもがおり、妻が子どもを育てていく場合は、養育費を受け取ることができます。
  • 年金分割:婚姻期間中の厚生年金保険部分について、半分に分け合う制度です。一般的には、年収の少ない側が将来受け取れる年金の額が増えます。
  • 婚姻費用:夫婦が婚姻関係にある場合は生活に必要な費用を支払う義務があります。離婚前に別居している場合は、婚姻費用の請求ができることがあります。

 
財産分与の対象となるのは、婚姻後に築いた夫婦の共同財産です。妻が婚姻前から有していた特有財産は分割の対象にならないので、しっかり確保しておきましょう。
また、養育費は、慰謝料の支払い義務があるかどうかにかかわらず、受け取ることができるものです。
 

夫側から慰謝料請求されたら弁護士に相談する

夫側から慰謝料請求されている場合は、その慰謝料を支払う義務があるのかどうかも含めて、弁護士に相談してください。
慰謝料支払い義務がない場合は、ご自身で反論するよりも、弁護士から、説明するほうが、夫側も納得しやすいはずです。
仮に、慰謝料支払い義務が生じるにしても、その金額が妥当かどうか、判断が難しいこともあるでしょう。
そのような場合も夫側の要求を鵜呑みにするのではなく、一度、弁護士にご相談ください。

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